投資型保険の特定早期解約

前ページでご説明したように、保険のクーリングオフに関しては、実務上、法律上のクーリングオフ制度とは 異なる運用が保険会社によってなされている場合が多くあります。
ここでご説明する特定早期解約制度についても、実務上はほとんど行われていないようです。(その代わりクーリングオフ制度が適用されています。)

それを予備知識としてご了解の上、以下で法律上の仕組みについて解説致しますのでご覧下さい。




既に述べたように、全ての保険契約がクーリングオフできるわけではなく、 クーリングオフできない場合(クーリングオフの適用除外)があります。

例えば、保険に入りたいと申し出て、自ら喫茶店を指定してその場所に出向き、そこで申し込んだ保険契約はクーリングオフできません。 また、インターネットのホームページから申し込んだ保険契約もクーリングオフの対象外となります。

しかし、投資性のある保険商品(変額保険・変額個人年金保険、外貨建て保険等)については、クーリングオフできない場合でも解約を認めるとする クーリングオフ類似の仕組みが設けられています。それが、特定早期解約という制度です。

これは、クーリングオフとは異なり、無条件解除というわけではありませんが、早期(保険会社が定める10日以上の期間内)に解約できるものですから、 ご自分の契約が投資型保険の場合は、例えばクーリングオフ期間の8日を過ぎてしまっても、あるいはクーリングオフの適用除外に該当している場合でも諦めることなく、 クーリングオフ(特定早期解約)の検討をしてみることです。

なお、ご自分の契約がクーリングオフ(特定早期解約)できるのか否か、クーリングオフ(特定早期解約)できる条件はどうなっているのか、 それを確認するには、契約時に受け取った契約書類、「ご契約のしおり」や「定款約款」を良く読んでみることです。



特定早期解約とは?

投資性のある保険契約(運用実績連動型のもの、相場等による変動を受けるもの、外国通貨で表示するもの等)のうち、クーリングオフの適用除外(但し、保険業法施行令45条1号〜4号のみ)に該当してクーリングオフできないものについては、 保険契約の成立日またはこれに近接する日から起算して10日以上の一定の日数を経過するまでの間に限って、解約手数料等を支払うことなく、また支払済みの手数料等は返還され、払込保険料(契約者価額)が全額返還される(但し、相場変動により減少(損失)している場合もある)という解約を認め、 これを保険契約の解約のうち、特に定めて特定早期解約と言います。

なお、10日以上の一定の期間内に解約できるわけですが、その期間は、保険会社が定めた期間となります。 また、特定早期解約の意思表示は、その期間内に保険会社に通知する必要がありますが、到達主義となっています。書面は要件ではありません。

ところで、特定早期解約が認められるのは、保険業法施行令45条1号〜4号に該当してクーリングオフできない場合です。即ち、契約目的での営業所等への訪問(1号)、自ら指定した場所での申込み(2号)、郵便・FAX・インターネット等での申込み(3号)、保険料を口座振込みした場合(4号)ですが、 詳しくは、前ページのクーリングオフできない場合(適用除外)の表をご参照ください。

それ以外の場合、即ち、

@クーリングオフできる場合
A保険業法施行令45条1号〜4号に該当しても保険会社が特約でクーリングオフに応じる場合
B保険業法施行令45条1号〜4号以外のクーリングオフできない場合(保険業法309条1項1号を除き、2号〜5号の場合及び施行令45条5号〜8号の場合)

においては、特定早期解約の定めは不要となっています。(原則として特定早期解約の定めはありません。)


【参考】 特定早期解約の定めとは?

ここで、特定早期解約の定めという言い方をしたのはなぜかというと、特定早期解約の規定は、法律で一律に規定した解約制度ではなく、投資型保険商品が保険業法施行令45条1号〜4号に該当してクーリングオフできない場合において保険会社が作らなければいけないという規定だからです。それ以外の場合は、特定早期解約の規定を設ける必要はありません。

保険会社が保険業を行うには国の免許が必要です。免許の申請があった場合には審査をするわけですが、その審査基準というものがあります。そして、免許申請書の添付書類のうち、事業方法書、普通保険約款に特定早期解約の規定を設けないと、この審査基準を満たさないというわけです。

クーリングオフというのは、保険業法に規定された法律上の制度ですが、特定早期解約というのは、保険業の免許を取得するために必要な保険会社が定める制度なのです。



クーリングオフか特定早期解約か?

以上のとおり、投資型保険(変額保険・変額個人年金保険、外貨建て保険等)の場合は、法律上クーリングオフできる場合は当然にクーリングオフできますし、保険業法施行令45条1号〜4号に該当してクーリングオフできない場合でも特定早期解約ができるということになります。

ただし、保険業法施行令45条1号〜4号に該当してクーリングオフできない場合でも、保険会社が特約で(自主的に)クーリングオフに応じる場合は特定早期解約の定めが不要なため、特定早期解約ができない場合があります。(もちろん、クーリングオフはできます。) ですから、この場合は、保険会社はクーリングオフと特定早期解約のどちらかを受け付けるということになります。

保険会社としては、クーリングオフと特定早期解約の調整を図り、一律にクーリングオフとして受け付け、クーリングオフできる期間を10日や15日等とするようなケースが多く見られます。(実務上、特定早期解約制度は、ほとんど行われていない。)

ご自分の契約がクーリングオフ(特定早期解約)できるのか否か、その条件はどうなっているのか、それを調べる一番良い方法は、 繰り返しになりますが、やはり、契約時に受け取った契約書類、「ご契約のしおり」や「定款約款」を確認してみることです。


 保険の店頭販売・通信販売のクーリングオフ







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