保険の店頭販売・通信販売のクーリングオフ

前述のように、保険のクーリングオフに関しては、実務上、法律上のクーリングオフ制度とは異なる運用が保険会社によってなされている場合が多くあります。 法律上はクーリングオフできない場合であっても保険会社がクーリングオフを受け付けている場合が多くあります。

ですから、ご自分の契約がクーリングオフできるのかどうかは、まずは契約時に受け取った契約書類、「ご契約のしおり」や「定款約款」を確認してみることです。

それを予備知識としてご了解の上、以下で保険の「店頭販売窓口販売)」と「通信販売ネット通販)」がクーリングオフできるのか否か、法律上の仕組みについて解説致しますのでご覧下さい。




本来、一度した契約(約束)を自分の都合で勝手に破棄することはできません。それが社会の常識、民法のルールです。

しかし、業者と消費者の力関係を考えたときに弱い立場の消費者を保護する必要性があり、そこで、消費者の側から一方的に契約を解除できるとするクーリングオフ制度が個別の法律に規定されているのです。

ただし、クーリングオフ制度は、あくまでも例外の制度ですから、消費者を保護する必要性に乏しい場合はクーリングオフ制度は設けられておらず、原則に従ってクーリングオフできないということになります。

その代表的な販売方法は、店頭販売通信販売でしょう。

お店(営業所等)に自ら出向き商品の購入やサービス契約に申し込んだ場合(店舗・店頭・窓口販売)、また、広告を見る等して自ら郵便やインターネット等で商品の購入やサービス契約に申し込んだ場合(通信販売)は、 いずれも消費者が自らの意思で自発的に契約に申し込んだと考えられます。このような場合には消費者を保護する必要性はなく、クーリングオフできないということになります。

ただ、別の用事で店舗に出向いたところ強引な勧誘にあい、仕方なく契約してしまったというような場合もあります。このような場合には消費者を保護すべきであり、業種によっては、店頭(窓口)販売でも クーリングオフを認める規定が法律に定められているケースもあります。

それでは、保険契約の場合はどうなっているのでしょうか。

クーリングオフできない場合(適用除外)の表から該当するものを抜き出すと、次のようになります。


クーリングオフできない場合(適用除外)(該当部分抜粋)
店頭販売の
一部
施行令45条
1号
あらかじめ日を通知して営業所等を訪問し、かつ、その通知で、または訪問の際に、保険契約の申込みをするための訪問であることを明らかにした上で、その営業所等においてその保険契約の申込みをした場合 特定早期解約

通信販売 3号 郵便・FAX・インターネット・店頭端末などによる申込み
(保険の通信販売)


結論を言ってしまえば、

(1)まず、保険の通信販売は、原則どおりクーリングオフできません。ただし、投資型保険の場合は特定早期解約制度があります。

【参考】 特定商取引法における「通信販売」の定義には「電話」での申込みも含まれますが、保険業法の「クーリングオフできない場合」には「電話」は含まれておりません。ですから、保険の場合は通信販売と言っても、電話で申し込んだだけでは、それだけで直ちにクーリングオフできないということにはなりません。

なお、保険の通信販売(郵便やインターネットからの申込み)であっても、保険会社が特約(約款)で自主的にクーリングオフを受け付けている場合はクーリングオフできます。


(2)次に、保険の店頭販売についてですが、一部の場合を除き、店舗・営業所等でした保険の契約はクーリングオフできます。

以前は原則に従い、保険の店頭販売はクーリングオフできませんでした。しかし、銀行の窓口を訪れたお客さんが、その場で保険の勧誘を受けて契約する事例等が多発したことから、2007年(平成19年)に法律が改正され、店頭販売でもクーリングオフできるようになったのです。

ただし、自ら保険に加入する意思を示して店舗・営業所等に出向いて申し込んだ場合に限っては、そういう場合にまで消費者を保護する必要性はありませんので、原則どおりクーリングオフできないということになっています。

しかし、現実問題として、本人の意思表示に関して証拠がない限り「言った言わない」でもめるだけですし、その立証責任が保険会社の側にあるので、店頭販売でクーリングオフできないケースを見つけるのは困難なことでしょう。保険会社の側としても、店頭販売については、どのようなケースでも一律にクーリングオフを受け付けていることが多いようです。


 保険のクーリングオフの法律・条文







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